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【総額59万円】17万キロ走行の日産エルグランド(E52)、それでも「アリ」だと思う理由
「距離を走った車って、正直どうなの?」——中古車を探していると、誰もが一度はぶつかる疑問だと思います。今回ご紹介するのは、走行17万4449km、総額59万円の日産エルグランド(E52型・ハイウェイスター)。数字だけ見れば思わず身構えてしまう一台ですが、実際に見て、触れて、乗ってみると印象がガラッと変わりました。宮崎県からはるばる下取りでやってきたこの個体を、良いところも残念なところも包み隠さずレビューしていきます。これから距離を走った車を検討している方の、ひとつの判断材料になればうれしいです。
宮崎からはるばる。大切に乗られてきた下取り車

この白いエルグランド、実は宮崎ナンバーが付いた下取り車です。前のオーナーさんは、以前に当店でエスティマを買っていただいた方。LINEでこまめにやり取りをしていて、とても几帳面で細かいところまで気を配る方でした。そして、その人となりはそのまま車に出るものです。届いたときの車内は驚くほどきれいで、「最後にしっかりクリーニングをして送り出してくれたんだな」と伝わってくる状態でした。所有期間は1年半から2年ちょっと。そのあいだにメンテナンスや細かい修理へかなりお金をかけてきたとのことです。走行距離こそ伸びていますが、素性という意味では、むしろ安心して見ていられる一台でした。距離が伸びていると不安に感じる方は多いと思いますが、田舎でコンスタントに距離を重ねてきた車は、かえって調子が良いことも珍しくありません。ほとんど走っていない車の方が、各部の油分や動きが渋くなっていて心配、というケースもあるほどです。数字の大きさだけで敬遠してしまうのは、少しもったいないかもしれません。
平成25年・2500cc。珍しい「ブラックレザー」仕様

グレードと年式を整理すると、平成25年(2013年式)の2500cc、ハイウェイスターです。このクラスのミニバンとしては珍しいブラックレザーの内装が、なんといっても最大のセールスポイント。実際にシートに触れてみると、17万キロを走った車とは思えないほどきれいでした。前オーナーの丁寧な使い方が、いちばん現れる部分かもしれません。エルグランドはアルファードやヴェルファイアと同じLクラスミニバンですが、価格帯でいえばアルベルよりお手頃です。この52型は、アルファードでいう30系と比較されることが多い世代。「20系の最終型と52系の初期が同じ年式」という、ちょうど世代の境目に立つ、少し面白い立ち位置の車でもあります。
エアロ・グリル・19インチ。しっかり手の入ったカスタム

外装は、前オーナーの手でしっかりカスタムされています。フロントにはエアロ、グリルも社外品に交換済み。サイドにもエアロが入り、足元は19インチホイールでビシッと決まっています。タイヤは海外製ながら2022年製の245/40R19と比較的新しく、ホイールもガリ傷がほとんどありません。ここでも、大切に扱われてきたことが伝わってきます。そしてもうひとつ見逃せないのが、車高調整式サスペンション(車高調)が組まれている点。純正ではなく、社外の足回りにきちんと入れ替えられています。ノーマルの上品さより、少しやんちゃで押し出しの効いた雰囲気が好きな方には、たまらない仕上がりだと思います。若いお兄さんが乗ってくれたら似合うだろうな、というのが社長の本音でした。
装備は充実。でも「残念ポイント」も正直に

装備面もなかなか充実しています。左右をしっかり映すアラウンドビューモニターが付いていて、大きな車体でも取り回しは安心。運転席はメモリー付きのパワーシートで、シートヒーターまで備わっています。一方で、正直にお伝えしたい残念ポイントもあります。ひとつは助手席側のシート調整が手動なこと。もうひとつは、後席のフリップダウンモニターが付いていないことです。これだけ大きな車になると、お子さんを乗せたときにフリップダウンが欲しくなる場面は多いはず。ここは、あとから追加する前提で考えておくと安心です。なお、後席にもしっかりヒーターが付いているのはLクラスミニバンの美点。ノアやヴォクシーだとリアはクーラーのみになりがちで、冬場の後席の寒さは意外とこたえるものですから、これは地味にうれしい装備です。
3列目とラゲッジ。跳ね上げでも床下でもない

3列目シートの畳み方が、エルグランドならではで面白いところです。アルファードのような跳ね上げ式でも、オデッセイのような床下収納でもなく、その場でパタンと前に倒す折りたたみ式。跳ね上げ式は畳んだシートが左右に張り出して荷室を真四角に使えないことがありますが、この方式ならフラットに近い床面がつくれます。ただし床面自体がやや高めで、荷室の高さという点では他のミニバンにわずかに譲るかな、という印象。とはいえ、シンプルに倒れて左右がすっきりする使い勝手を「こっちの方が好き」という方も、きっといるはずです。2列目の広さと座り心地は文句なしで、ふかふかのシートにゆったり身をあずけられる、上質な空間に仕上がっています。
実際に走ってみた。17万キロを感じさせない足

いちばん気になるのは、やはり走りだと思います。結論から言うと、17万キロを走った車とは思えないほど、しっかりしていました。車高調が入っているぶん足回りに芯があり、扁平タイヤを履いていても乗り心地は良好。エンジンも静かで、街乗りでのストレスはほとんど感じません。ただし、19インチゆえの正直なデメリットもあります。トラックが通るような荒れた路面では、ワダチに少しハンドルを取られる場面がありました。パワー感でいうと、同じ2.5リッターでも30系アルベルの方が力強く感じる、というのが率直なところ。とはいえ燃費は在庫車として実際に乗って平均8.5km/L前後と、この車格としてはむしろ優秀です。アラウンドビューカメラの見やすさも含め、日常づかいの完成度は高いと感じました。
日産車ならではのクセ、そして52型の立ち位置
エルグランドを検討するなら、日産車ならではのクセも知っておくと良いと思います。社長いわく、日産車はメーターのオドメーターをトリップに切り替えても、総走行距離が消えずに常に表示され続けるのだそう。トヨタ車のように距離を隠せないので、距離が伸びた車が少し気になる方は覚えておきたいポイントです。またスマートキーの操作も、日産はドアノブのボタンを押してロック・アンロックするタイプ。ドアノブに手をかけるだけで施錠・解錠できるトヨタに慣れていると、ワンアクション増えるぶん、最初は少し戸惑うかもしれません。さらにこの52型は、いわゆるエルグランド信者からすると評価が割れる世代でもあります。先代の51型が好きな人はずっと51に乗り続ける傾向があり、52型は床も屋根も少し低くなって、ホンダのエリシオンに近い雰囲気に。良くも悪くも、これまでのエルグランドとは少し性格が変わった一台だといえます。逆にいえば、先代のいかつさよりも、少し落ち着いた押し出しを求める方にはむしろ好都合。ワゴンとミニバンの中間のような、低めでワイドなフォルムは、いま見てもなかなか味わいがあります。クセを理解したうえで選べば、長く付き合えるパートナーになってくれるはずです。
気になる総額は59万円。現状渡しでも「アリ」な理由
気になる総額は、今年の自動車税1年ぶんまで含めて59万円。車検も令和8年の10月まで、およそ1年半ちょっと残っています。ただし走行距離が伸びているため、保証はお付けできず現状渡しでの販売となります。ここは、あらかじめ正直にお伝えしておきたいポイントです。とはいえ、これだけカスタムされて内外装もきれいなLクラスミニバンが、この価格で手に入るのは大きな魅力。こういう素性のいい車は、ここから乗って22〜23万キロまで普通に走ってくれるものです。見た目のかっこよさとお手頃さを両立したいなら、ゴーニー(52型)エルグランドは十分「アリ」な選択だと思います。グーネットや当店のYouTubeでもご覧いただけますので、気になった方はぜひ一度ご相談ください。前のオーナーが大切に乗ってきたこの一台を、次はあなたの手で乗り継いでみませんか。