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50万円で買ったミニバンの末路。23万km走ったステップワゴンRG後期
50万円で買ったミニバンが、4年後にどうなるのか——。今回の主役は、そんな問いにまっすぐ答えてくれる一台です。走行はなんと23万7000km超。エンジンはチェックランプが点いてズブズブと苦しそう。それでも自走で店まで帰ってきた、ホンダ・ステップワゴン(RG後期)です。愛's Countryでは「100万円でも我慢じゃない、コスト最強の車選び」をテーマにしていますが、今日はその裏側にある「安い車を最後まで乗り切る」という選択を、下取りで戻ってきた一台の末路から見つめてみます。中古車を検討中の方には、きっと肩の力が抜けるお話です。
下取りで戻ってきた、末路シリーズの一台

この車は、これから売り出す商品車ではありません。ラフェスタを買っていただいたお客様が、下取りに出していかれた一台です。あちこち小さな傷があり、そのまま商品にはできない状態。こういう乗りつぶされた下取り車を、思い出としてレビューするのが「末路シリーズ」です。
お客様は職人さん。仕事道具を満載して、あちこちの現場を走り回ってきた方です。時には車中泊もしながら、この一台で稼いできたのだそう。だからこそ、荷室には仕事の名残がぎっしり。「走る工具箱」という社長の表現が、これ以上ないほどしっくりくる車でした。じつは下取りに出すその日まで、次の車が隣に届くのを待っていたのだとか。荷台いっぱいの道具を積み替えるには、新しい相棒が先に必要だったというわけです。
来店のきっかけも、なんとも心温まるものでした。ご主人が奥様とテレビ電話をつなぎながら店を見ていたところ、奥様が先に愛's CountryのYouTubeを見つけて、「評判のいいお店だから安心だよ」と後押ししてくれたのだそう。ご主人はそれを知らずに来店し、あとから縁に気づいたといいます。動画をきっかけに、ご家族そろって選んでくださる——こうしたつながりが生まれるのも、地道に発信を続けてきたおかげかもしれません。
平成20年式・23万km。素性はこんな一台

車両は平成20年式(2008年)のRG型ステップワゴン後期。2026年の今からすると、実に18年落ちになります。RGは横長のテールランプが目印の世代で、後期型はこのテールがちょっとかっこいい、というのが社長のお気に入りポイント。歴代ステップワゴンの中でも、見分けのつきやすい一台です。
そして走行距離が圧巻です。メーターが指していたのは23万7659km。数字だけ見ると腰が引けそうですが、職人さんの相棒として毎日ゴリゴリ使われてきた証でもあります。パワースライドドアも、少しぎこちないながら生きている。18年・23万kmを走ってなお、ちゃんと役目を果たし続けていたわけです。
50万円で4年間。月1万円のレンタカー感覚

ここが末路シリーズのいちばん面白いところです。車検証をたどると、お客様がこの車を手に入れたのはおよそ4年前。当時の走行が約11万kmで、購入金額は50万円ほどだったそうです。そこから年間3万kmというハイペースで走り、今の23万kmに到達しました。職人さんの移動距離、恐るべしです。
社長がその場でざっと計算します。50万円で買って4年間乗れば、月あたりおよそ1万円。税金や維持費はもちろん別途かかりますが、ざっくり言えば月1万円ちょっとのレンタカーを4年間ゴリゴリ使い倒した計算になります。しかも最後まで自分の足として働いてくれた。「こいつの人生は全うした」という言葉に、思わずうなずいてしまいます。
社長がもうひとつ教えてくれたのが、距離を走る人ほど中古が得という考え方です。新車を買えば0kmから一気に13万kmまで価値が落ちていきますが、はじめから8万kmほどの中古を選び、乗るだけ乗って手放すほうが、トータルでは利口だという発想。値落ちのいちばん大きいところを、他の誰かに先に負担してもらうイメージです。今回のステップワゴンは、その割り切った生き方をそのまま体現した一台でした。
エンジンはズブズブ、それでも走る

もちろん、いいことばかりではありません。エンジンをかけるとオレンジ色のチェックランプが点灯し、アイドリングもゴロゴロと不安定。社長の見立てではイグニッションコイルなどの点火系が濃厚で、「直そうと思えば直せる」レベルだそうです。実際、正月にもイグニッションコイルまわりの修理が2件入ったばかり。
気になる修理費は、イグニッションコイルとプラグ4本でおよそ8万円が目安。決して安くはありませんが、直せばまた普通に走り出すレベルです。実際、あるご近所のお客様は同じ点火系の不調を「もう少し乗りたいから」と費用をかけて直し、いまも元気に走らせているそう。壊れた=終わり、ではないのが、こうした車の頼もしいところです。
そしてこのステップワゴン、エンジンはズブズブ言いながらも、お客様は埼玉から自走で持ち込んだというから驚きです。試しに社長が一周乗ってみても、拍子抜けするほど普通に走ってしまう。23万7000kmを超えてなお、走ることそのものには不安がない——だからこそ「末路」と呼びつつも、どこか清々しさの残る一台なのです。
いま同じミニバンを買うと、いくら?

ここでちょっと現実的な話を。当時50万円で買えたこのクラスのミニバンですが、今は同じ値段ではなかなか手に入りません。物の値段が上がり、年式も一段と古くなってしまったからです。
目安として、愛's Countryの在庫でいえばフリードハイブリッドがおよそ60万円、RK後期のステップワゴンで90万円ほど。それでも、たとえば90万円の車を4年しっかり使えば月1万2000円ほど。今回のように大往生させられるなら、決して高い買い物ではありません。安い中古のミニバンは、乗り切ってしまえば十分に元が取れる——そんな相場感が見えてきます。
18年前の車が「古く感じない」時代

このステップワゴンは2008年式、つまり18年前の車です。ところが、店頭で眺めていても「そこまで古い」とは感じないのが不思議なところ。社長も「ひと昔前の18年落ちは、もっとおじいちゃんな見た目だった」と振り返ります。
社長が例に挙げたのは、リトラクタブルライトのアコードやビガー、初期のマーチといった顔ぶれ。かつての18年落ちは、ひと目で「ずいぶん古い」と分かる時代の車でした。ところが2008年式ともなると、FD2型シビックタイプRのように今でも十分通用する車がゴロゴロしています。デザインも装備もぐっと長持ちするようになったのです。
だからこそ、今どきの「10年10万km」なんて、まだまだヒヨッコ。年式や距離の数字だけを見て敬遠してしまうのは、正直もったいない話です。きちんと手を入れられた一台なら、見た目も中身も、思っている以上に長く付き合える——それが、この末路のステップワゴンが教えてくれたことでした。
それでも「安い車を乗り切る」という選択
新車で買って4年乗り、13万kmまで走ったら——。300万円の車でも、下取りは100万円を切ってしまうことも珍しくありません。それを思えば、50万円の車は、どうやっても50万円以上は損をしない。社長のこの一言が、末路シリーズの核心をついています。
もちろん「壊れたら元も子もない」という不安はあります。だからこそしっかり保証をつけておくことが大切。保証があれば、そうそう大きな出費にはなりません。安く買って、直しながら、ゼロになるまでとことん乗り切る——これも立派な、そして賢い車との付き合い方です。
愛's Countryには、こんな乗りつぶされた末路の一台から、新しめのオデッセイハイブリッドまで、30年分ほどの幅広いラインナップがそろっています。「予算は抑えたい、でも失敗はしたくない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの使い方にちょうどいい、コスト最強の一台を一緒に探します。