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10年10万キロは寿命じゃない。2,000台売った社長が語る「今の基準」
「10年10万キロの中古車なんて、知り合いにやめとけと言われた」——愛’s Countryにも、そんな不安を抱えて来店されるお客様が少なくありません。ですが、これまで2,000台以上の中古車を売ってきたくに社長の答えは、いたってシンプルです。「普通に走りますよ」。今回は、なぜ10年10万キロは寿命ではないのか、そして今の時代における「古いの基準」がどこまでスライドしたのかを、社長のリアルな言葉でひもといていきます。中古車選びの物差しが、きっと一つ増えるはずです。
「10年10万キロはヤバい」は本当か

去年公開した「10年10万キロ」の動画は、大きな反響を呼びました。ところが、それを見たお客様の周りには決まって「そんな距離の車はヤバい、買わない方がいい」と口にする人がいるそうです。では、実際どうなのか。社長の答えは拍子抜けするほど明快でした。「普通に動くよ、普通に走りますよ」。もちろん、新車でゼロキロが一番いいのは誰でも知っています。それは当たり前の話。ただ、その当たり前だけで判断すると、今の中古車市場では選べる車がほとんど無くなってしまうのです。問題は距離そのものより、10年前と今とで「10年落ち」の意味が変わってしまったことにあります。
昔は250万、今は400万。物価が変えた「10年落ち」

象徴的なのが、新車価格の上がり方です。昔のステップワゴンは250万円ほどで買えました。それが今では400万円台に届きます。250万円で買った人が10年乗って、同じように新車へ乗り換えようとすると「いや、びっくり」となるわけです。モデルチェンジの周期が長くなり、品質も上がり、そこへ物価高が乗った——だから中古車も全体的に高い。たとえば平成27年(2015年)の30系アルファードやヴェルファイアは、もう10年落ちの世代です。それでも10万キロ走った個体が200万円台で取引されているのが現実。街中で見かけても、とても10年前の車には見えません。予算が決まっている以上、安く出そうとすれば必然的に年式を古くするしかない、というのが社長の実感です。
今の10年10万キロは「13年13万キロ」に置き換わった

社長は開業から10年以上、ほぼ同じ価格帯で車を売り続けてきました。ここに面白いヒントがあります。売価を70〜80万円と決めると、昔なら10年落ちで収まっていた車が、今は13年落ちにしないと同じ値段に収まらないのです。「本来なら10年分スライドするはずの相場が、7年分ぐらいしかスライドしていない」。つまり同じ100万円で買える車が、年式では3年分よけいに古くなってしまう。ホンダ・オデッセイで言えば、平成15年(2003年)のRB1前期がおよそ60万円。その価格帯は今、平成22年(2010年)のRB3とだいたい同じです。昔の「10年10万キロ」は、今の感覚だとおよそ「13年13万キロ」に置き換わっている——これが社長の見立てです。距離はもう少し少なくてもいいかもしれませんが、年式の考え方はこのくらいシフトしていると押さえておくと、車選びの目線が定まります。
古いのに、品質はむしろ上がっている

「年式が古い=品質が心配」と思いがちですが、ここも逆だと社長は言い切ります。当時の10年落ちと、今の13年落ちを比べても品質は同じ。むしろ良くなっていると言っても過言ではない。理由の一つが、保証の充実です。昔と違って、今は何かあってもトラブルを支えてくれる保証商品が数多くあります。人間の寿命が伸び、スポーツ選手の活躍年齢が30歳から35歳へと上がったように、車も「10年」だったラインが「15年」ぐらいまで伸びている、というわけです。実際、多くの保証は15年落ちまで3年間加入できる設計。保険会社の商売として成り立つということは、それだけ壊れにくくなった裏返しでもあります。
値段が「底を打つ」ラインを知っておく
とはいえ、値段だけで安心はできません。車ごとの持病は必ずあるので、そこは要チェックです。ただ、価格については面白い現象があります。年数が経てば値段は下がり続けそうですが、あるところまで来ると、それ以上は下がりません。社長の店では13〜14年落ちの車も売りますが、仕入れて販売し、お客様が5年乗って下取りに出しても「当時の仕入れ値とそんなに変わらない」ことがあるそうです。すでに底値を打っているから、資産価値としての目減りが小さい。これは古い中古車ならではの、意外なメリットと言えます。安さの裏にある「もう下がらない安心感」も、選ぶときの判断材料になります。
逆に、値上がりする車もある

底を打つどころか、逆に上がっていく車すらあります。古い車でも海外に需要があると、相場がぐっと跳ね上がるのです。今で言えば、V8エンジンのセルシオなどが好例。社長がかつてLSを売り、その下取りが30系セルシオだったとき、LSと30系セルシオのオークション価格がほとんど変わらなかったという逸話もあります。かつて店に山ほどあったシルビアも、今は軒並み高値。相場というより「モノの値段」自体がおかしなことになっている、と社長は苦笑します。実際、当時100万円ほどで売ったチェイサーが、今では200万〜250万円になっている例も。だからこそ、新車を選ぶならリセールの良い一台を狙うほうが、後々の損が小さいのです。
まとめると、今の「10年10万キロ」は昔ほど恐れる距離ではなく、感覚としては「13年13万キロ」あたりまで前倒しで考えて大丈夫。ただし、持病の有無や保証の付け方で満足度は大きく変わります。予算という一本の軸が決まれば、そこから逆算して「ちょうどいい古さ」を選ぶのが賢いやり方です。愛’s Countryでは、その一台一台の見極めから、ご予算の組み立てまで一緒に考えます。10年10万キロを候補に入れるか迷っている方こそ、ぜひ一度ご相談ください。