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【不人気車?実は良い】スズキ イグニスを中古であえて買う理由|くに社長のプロの目利き
プジョーに乗り換えたお客様が、下取りに出していった一台。それが今回の主役、スズキ・イグニスです。街で見かける機会がぐっと減った個性派コンパクトを、くに社長が「プロのメッキ査定」でじっくり見ていきます。この愛's Countryのレビューは、100万円でも我慢じゃない、コスパ最強の一台を探すコーナー。年式や走行距離、装備から走りの体感まで、社長の本音を包み隠さずお届けします。今はもう生産が終わり、なかなか手に入らないクルマだからこそ、あえて中古で狙う価値があるのか。最後の5段階評価まで、ぜひご覧ください。フィットやヤリスのように「みんなが乗っているクルマ」ではない、ちょっと変わり種の一台。だからこそ、選ぶ楽しさがあります。
プジョー乗りが手放した、珍しい一台

このイグニス、実はプジョー308の下取り車です。大阪からわざわざ自走で来店されたお客様が、イグニスを置いてプジョーに乗り換えて帰られました。イグニスからプジョーへ、しかも「次は508ワゴンを、また4年後くらいに」と話されていたそうで、根っから個性的なクルマがお好きな方なのだとか。社長も「どっちも変わったクルマですね」と笑っていました。
そんな一台が、ぽっかり店頭に残りました。イグニスは2年ほど前に生産を終え、街ではめっきり見かけなくなったモデルです。10年ほどしか作られなかった、いわば知る人ぞ知る一台。だからこそ「どんな人に似合うんだろう」と、社長も値付けに悩むところ。ちなみにこの日は、隣に大阪のお客様がバックオーダーで注文された黒いヴェルファイアも。遠方からのご依頼が増えているのも、最近の愛's Countryらしい光景です。まずは、この珍しいクルマの素性から見ていきましょう。
平成28年式・6万5千km。車検もたっぷり

年式は平成28年(2016年)。しかも、お客様が新車で購入されたワンオーナー車です。走行距離は6万5,500kmほど。9年落ちながら、距離は年数のわりに落ち着いた数字で、日常の足として無理なく使われてきた一台だと分かります。前オーナーは大阪の方で、来店時も片道500kmほどを自走。タンクは小ぶりで途中一度の給油を挟んだそうですが、長距離もしっかりこなすタフさを見せてくれました。
うれしいのは車検の残り。つい4か月ほど前に通したばかりで、車検は来年12月までたっぷり残っています。グレードはマイルドハイブリッド・2WDのFリミテッド。しかも禁煙車で、車内はとてもきれい。シートは上質なハーフレザーで、シートヒーターまで備わります。
正直な点も包み隠さずお伝えすると、リア周りに奥様がぶつけてしまった小さなへこみが一か所あります。とはいえ大きなダメージではなく、走行に支障はありません。中古車は良いところも気になるところも、こうして正直にお見せするのが愛's Countryの流儀です。「素性」の部分がしっかり整った、安心して乗り出せる一台と言えます。
インド生まれの小さな体。全長3,700mm
イグニスの大きな特徴は、その小ささ。全長は3,700mmで、軽自動車の規格からわずか30cmほど伸ばしただけのサイズ感です。海外では軽の規格がないので、いわば「軽のように使える普通車」というイメージ。最小回転半径は4.8mと、取り回しはまさに軽自動車並みで、狭い道やコインパーキングでもすいすい扱えます。
そしてこのイグニス、生産地はインド。スズキはインドに強いメーカーで、お客様いわく「エアコンがめちゃくちゃ効く」のだそう。暑い国で鍛えられた実力、というわけです。デザインは、ボディをぐっと絞り込んだうえにオーバーフェンダーがボンと張り出す、なんとも不思議で個性的な出で立ち。社長も「インドっぽい」「いじったら、すごく可愛くなりそう」と、ベースとしての伸びしろを面白がっていました。生産終了で希少になった今となっては、この見た目そのものが立派な個性です。全長が短いぶん、室内やタイヤハウスまわりにしわ寄せは出ますが、その割り切りこそがイグニスの潔さ。小ささを弱点ではなく武器として、街の相棒に仕立てたクルマなのです。
内装は意外と上質。装備と使い勝手

ドアを開けて、社長がまず感心したのが内装です。Fリミテッドは黒基調のお洒落な仕立てで、メーター周りは「すごく上質な感じ」との第一声。ナビはカロッツェリア製が付いており、シフトにはパドルも備わります。コンパクトカーとしては、運転席まわりの質感がしっかり上等です。ハーフレザーのシートに黒基調のパネルが組み合わさり、パッと見の印象は価格以上。ナビが使い慣れたカロッツェリア製なのも、日々の使い勝手を考えると安心できるポイントです。
安全面も、デュアルカメラのブレーキサポートを装備。日常使いに必要なものは、きちんとそろっています。一方でバックカメラは非装備という割り切りも。このあたりは年式相応で、必要なら後付けで十分に補える範囲です。何より驚くのはコンディションで、乗り込むと新車のような匂いが残るほど。社長も「内張りまですごくきれい」と、状態の良さを繰り返し口にしていました。
荷室は「想像の100倍」。後席と積載

小さな体ですが、荷室の広さには社長も驚いていました。後席はシートスライド式で、前に寄せたり倒したりすれば荷室がぐっと拡大。「想像の100倍ぐらいある」「手を伸ばしても肘まで入る」と、思わず声が出るほどの奥行きでした。シートを前後にスライドできるので、乗る人数と荷物の量に合わせて空間を調整できるのも便利。3人・4人のご家族なら、これで十分こなせる積載力です。
ただし正直な弱点も。後席の座面が高く、目線がかなり高くなるのです。短い全長のなかでタイヤハウスを避けた結果で、頭上や座り心地の面ではやや窮屈。ネット上でも「後ろに3人は厳しい」との声があり、ロードノイズも多めという評判です。だからこそ1人・2人で乗って後席を倒して使う——そんな割り切った使い方が、このクルマにいちばん似合います。
880kgの軽さが効く、街乗りの走り

実際に走らせてみると、まず驚くのが軽さ。車重はわずか880kgで、今どき1トンを切るクルマは貴重です。そこに1.2Lのマイルドハイブリッドですから、街中では十分に軽快で、社長も「割とシャキシャキ走る」との評価。燃費は20km/L前後と、維持費もお財布にやさしい数字です。
一方で社長が気にしたのは、ハンドルの感触。「センターがダルで、普段よりいっぱい切らないと曲がらない」と、遊びの多さを指摘します。アイドリングストップからの再始動は静かなものの、出だしはややボサッとした印象。エンジンを2,500回転あたりまで回すと音は大きめで、正直「ちょっと安っぽい」との本音も。低速15km/hあたりからの加速に、クッとした引っかかりを感じる場面もありました。
強いて注文をつけるなら、いちばん使う1,000〜2,000回転あたりのレスポンス。ここがもう少し軽く反応してくれると、信号の多い街中がさらに快適になりそうです。とはいえパドルシフトで自分のリズムに合わせて走れるのは、この価格帯のコンパクトカーとしてはうれしい装備でした。
それでも軽さは正義。50〜60km/hの中回転域はきびきびと軽快で、ストップ&ゴーの多い日本の街乗りにはよく合う一台です。全長が短いぶんクイックに向きを変えられ、街中では「これぐらいがちょうどいい」と社長も納得の走り味でした。
ライバルはクロスビー。相場での立ち位置
立ち位置としては、同じスズキのクロスビーがいちばん近いライバル。クロスビーが1Lターボなのに対し、こちらは1.2Lのマイルドハイブリッドです。下は軽自動車、上はジュークやヴェゼルといったSUVたち。ヤリスクロスより、ちょい下のクラスという見立てでした。
スズキ車で言えば、ソリオやスイフト、ワゴンRあたりも近い顔ぶれ。ソリオは人気で、あればすぐ売れる一台です。ただ、コンパクトカーに少しSUVのタフさを足したような佇まいは、イグニスならでは。最近でこそ各社からこうした「コンパクト+SUVチューン」のモデルが増えましたが、イグニスはその走りのはしりのような存在です。「被らない個性」で選ぶならイグニスに分があります。フィットやヤリスのように街にあふれていない——それ自体が、このクルマの隠れた魅力なのです。
社長の5段階評価は14.5点。こんな人におすすめ

恒例の5段階評価です。デザイン・個性は4点——独特のデザインと車種の分かりにくさが、逆に魅力という評価。好きな人にはたまらない一台です。走りは3点で、パワーや直進安定性はもう一歩ながら、小回りの良さと軽快さは好印象。装備・使い勝手は3.5点、運転席まわりのお洒落さと安全装備を評価しつつ、後席の座り心地はマイナス。そして維持のしやすさは4点。税金も安く、軽自動車の一つ上のランクとして考えれば十分、との評価でした。合計は14.5点です。
社長がおすすめするのは、クルマを純粋な移動手段・足として使いたい方。荷物もしっかり積めて、税金も燃費も優しい。免許を取ったばかりの大学生や新社会人の入門車としても、小回りが利いて扱いやすい一台です。そして何より「みんなと被らない、個性的な一台がいい」という方にこそ、ぴったりはまります。フィットやヤリスとは違う、自分だけの相棒を探している方に。生産終了で希少になった今だからこそ、あえて狙う価値のあるイグニスです。在庫にご用意がありますので、気になった方はぜひ一度ご相談ください。あなたにちょうどいい一台を、一緒に見つけます。