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17万キロ・20年落ちのデュアリスが普通に走る理由。過走行中古車の選び方

愛's MAGAZINE編集部

「17万キロ近く走った20年落ちの中古車なんて、もう廃車でしょう」——そう思う方は、きっと少なくないはずです。今回ご紹介するのは、下取りで入ってきた日産・デュアリス。平成19年式で、走行はおよそ16万3000km。数字だけ見れば、かなりの過走行です。ところが実際に乗ってみると、拍子抜けするほど普通に走る。「過走行の中古車って、どこまで使えるの?」という素朴な疑問に、一台の実車で正直にお答えします。「古いから」「距離が多いから」と最初から選択肢を外してしまう前に、ぜひ知っておきたい視点がここにあります。中古車選びのヒントがぎゅっと詰まった一台です。

下取りで入ってきた、走行16万kmのデュアリス

下取りで入ってきた日産デュアリスの前まわり
平成19年式のデュアリス。19年前のクルマとは思えないほど、外装は整った印象だった。

このデュアリスは、オーナー様の乗り換えにともなって下取りで入ってきた一台です。年式は平成19年、いまからおよそ19年前のクルマになります。「意外と古いのに、そんなに古く見えない」——社長も思わず口にするほど、シンプルで嫌みのない見た目でした。じつは最近、店頭は下取り車がずらり。前日だけでもシャトル・デュアリス・レヴォーグ・アクアと、5台中4台が下取りだったそう。そんな一台を、たまには日産の過走行車として飾らずにレビューしてみよう——それが今回の始まりです。販売用のピカピカな車ではなく、あくまで下取りで入ったリアルな一台。だからこそ、飾らない本音の評価をお届けできます。

車名は「日産UK」。じつはイギリス生まれのSUV

車検証を確認するくだりで映るデュアリスのフロント
車検証の車名欄には「日産UK」の文字。国産のつもりで見ると意外な素性が隠れていた。

おもしろいのが、この車の車検証です。車名の欄にはなんと「日産UK」の文字。つまりこのデュアリス、日本ではなくイギリスで生産された輸入車なのです。ヨーロッパでは「キャシュカイ」という名前で親しまれ、SUVとして非常によく売れたモデルでした。国産車の感覚で乗ると、装備の並びやスイッチの配置に「あれ?」と気づく場面もあります。ウインカーとワイパーのレバーが左右逆になっているのも、輸入車ならではのご愛敬。慣れてしまえば問題ありませんが、初めて触るとちょっと戸惑うポイントです。日産車なのに、どこか普通の日産と違う——その理由は、生まれた場所にあったわけです。こうした素性を知っておくと、同じ中古車でも見え方がガラッと変わります

中身は25セレナ。2.0Lエンジンと「定番の弱点」

運転席でメーターとステアリングを確認する社長
メーターまわりを見て「これ、C25セレナと同じだ」。中身はセレナ系の2.0Lだった。

運転席に座った社長がひとこと、「これ、C25セレナと同じだ」。メーターもステアリングもそっくりで、調べてみるとエンジンも2.0L。中身はまさにセレナ系でした。ということは、弱点も見えてきます。25セレナといえば、ラジエーターのトラブルやオルタネーターの不調、そしてイグニッションコイルやプラグの劣化が定番どころ。とはいえコイルやプラグは、どんなクルマでも距離を重ねれば交換が必要になる消耗品です。あらかじめ「どこが弱いか」を把握しておけば、いざというときも慌てずに済みます。中古車選びは、持病を知っているかどうかで大きく差がつくのです。

この「弱点を知っておく」大切さを物語る、あるお客様の話があります。YouTubeをきっかけにご相談いただいた方で、25セレナに乗って12万kmほどでラジエーターが不調に。E26セレナに乗り換えても、やはり12〜13万km台でトラブルが出てしまったそうです。「もうセレナはいいや」と、次はトヨタのエスティマとアルファードで検討。最終的にアルファードに決まりました。ここで社長が提案したのが保証です。「どのクルマも12〜13万kmスタートで壊れているなら、その距離を逆手にとって、最初から保証を付けておいた方がいい」——過走行を前提に、備えで安心を買うという考え方です。持病を知っているからこそできる、現実的なアドバイスだと言えます。

車検切れが、乗り換えの引き金だった

デュアリスのリアまわり
大きな不具合はなく、外装もこの通り綺麗。乗り換えの決め手は車検の費用だった。

このデュアリスが下取りに出された一番の理由は、じつは車検でした。ちょうど今月で車検が切れるタイミング。ところが、いざ車検を取ろうとするとオイル漏れなどの整備が重なり、費用がそれなりにかさむことが分かったのです。「大きな不具合はない。でも車検にお金をかけるくらいなら、いっそ乗り換えよう」——オーナー様はそう判断されました。内装にはこの年代らしいベタつきも少し見られ、走行距離とあわせて年式相応の使用感はあります。とはいえ天張りも垂れておらず、全体的にはシンプルで綺麗な状態。それでも「壊れて動かない」わけではないのがポイントです。大きな不具合の有無と、維持にいくらかかるかを冷静に見極めること——これが、過走行車と上手に付き合う第一歩になります。数字のインパクトに引っぱられず、実際の状態とコストで判断したいところです。

16万kmでも普通に走る。シンプルさという強み

デュアリスの車内。シンプルで広々とした空間
後席まで広く、作りはいたってシンプル。社長いわく「なんかアメ車みたい」。

実際にハンドルを握ってみると、これが驚くほど普通に走ります。サイズ感もちょうどよく、後席も広い。16万3000kmという数字が信じられないくらい、素直な乗り味でした。社長いわく、20年近く前のクルマがここまで走るなら、状態のいい過走行車は十分に「買い」の選択肢になる、と。ひとつ気になったのは、この年代らしくハンドルやガラス越しの日差しが暑いこと。UV・IRカットガラスが普及したのは2012年ごろからで、それ以前のクルマは日差しの厳しさを感じやすいのです。とはいえ、それを差し引いても普通に走ってしまうのが、このデュアリスの底力でした。

室内をあらためて見回すと、後席まわりも想像以上に広く取られています。天井の内張りも垂れておらず、全体の作りはいたってシンプル。社長が「なんかアメ車みたい」と表現したのも、余計な装飾がなく骨太な雰囲気だからでしょう。海外でバリバリ現役、と言われても納得の頑丈さです。もちろんナビは年式なりですし、細かな部分に古さは残ります。それでも、サイズ・広さ・走りのバランスは今の目で見ても十分に実用的。「16万km走った古い輸入SUV」という先入観だけで判断していたら、この完成度には気づけなかったはずです。実車を見て、乗って、初めて分かる価値がここにあります。

消えたデュアリスと、過走行中古車の選び方

残念ながら、デュアリスは日本ではすでに販売終了。かつて日産のSUVはデュアリス・ジューク・エクストレイル・ムラーノとそろっていましたが、ジュークもムラーノも姿を消し、いま残るのはエクストレイルと、電気自動車のアリアくらいです。だからこそ、程度のいい個体は中古市場でじわりと貴重な存在になっていきます。過走行の中古車を選ぶときのコツは、「作りがシンプルか」「大きな持病がないか」「維持にいくらかかるか」の3点。逆に、新しくても電子制御を詰め込みすぎたクルマは、便利さと引き換えに思わぬトラブルが出ることもあります。ここが中古車選びの奥深いところで、年式や走行距離の数字だけで判断しないことが、失敗しない一台を引き当てる近道になります。

シンプルな作りこそ、長持ちの秘訣

今回のデュアリスが教えてくれたのは、余計な電子装備が少ないシンプルな作りは、それだけで長く付き合える強みになる、ということです。20年近く前のクルマが16万kmを超えても普通に走る——その背景には、こうした割り切った設計があるのかもしれません。「過走行だから」「古いから」と敬遠する前に、一台ずつ状態を見極めれば、予算をぐっと抑えながら満足できる中古車に出会えます。年式や距離のどこまでが「買い」なのか、維持費まで含めてどう選べばいいのか——迷ったときは、ぜひ一度ご相談ください。「過走行だけど安い中古車はアリかナシか」「年式や距離のどこまでが買いなのか」——そんな段階のご相談でも大歓迎です。あなたにちょうどいい一台を、プロの目で一緒にお探しします。

気になる車のこと、まずはお気軽にご相談ください。

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