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129万円のマツダスピードアクセラ。絶滅危惧種のMT×ターボを2年がかりで仕上げた一台
「絶滅危惧種」——この一台を言い表すのに、これほどしっくりくる言葉もありません。今回くに社長が紹介するのは、マツダスピードアクセラ。2.3リッターのターボエンジンに6速マニュアルという、今では新車で選ぶことすら難しい組み合わせです。しかも、ただ珍しいだけの一台ではありません。2年がかりで手を入れ、ほぼ全塗装に近いところまで仕上げた、こだわりの商品車。価格は129万円。「安くないですか?」と撮影スタッフが思わず口にしたその中身を、仕入れの経緯から走りの体感まで、包み隠さずご紹介します。
マツダスピードアクセラって、どんな車?
まず、ふつうのアクセラと何が違うのか。答えはエンジンにあります。積まれているのは2.3リッターのガソリンターボ。しかも、その味付けはメーカー自身が手がけたマツダスピードチューンです。社長いわく「同じ2.2ターボでも、ディーゼルとは全然違う」。町工場のチューニングではなく、メーカーが本気でつくったスポーツモデル、という点がこの車の背骨になっています。
組み合わされるのは6速マニュアル。「昔はこんなのが多分300万円とかで買えたんですよね」「今じゃ考えられない」——撮影中のこのやり取りが、すべてを物語っています。ターボ×MTのホットハッチは、新車のカタログからほぼ姿を消しました。だからこそ、探している人には刺さる。まさに絶滅危惧種と呼ぶにふさわしい一台です。
撮影中、社長とスタッフが思わず語り合ったのが、この手の車が生まれた時代のこと。2000年代前半は、NSXやスープラといった名だたるスポーツカーがそろっていた、いわば国産車の黄金期でした。マツダスピードアクセラも、その熱がまだ色濃く残っていた頃の産物です。合理性だけでは割り切れない、作り手の遊び心がしっかり詰まっている。だからこそ、10年以上たった今でも古びない面白さがあるのだと思います。
平成22年・8万8千km。素性はこの通り
気になる素性を並べます。年式は平成22年(2010年)、走行はメーター読みで88,996km。10年以上前のスポーツモデルとしては、意外なほど走っていない一台です。もちろん修復歴なし。ここは中古スポーツを選ぶうえで外せないポイントです。
さらに車検2年付きでのご納車、加えてプレミアのブロンズ保証(1年)まで用意しました。これだけの内容をそろえて、総額は129万円。「安くないですか?」というスタッフの一言に、社長も「上げる?」と冗談を返すほど。それくらい、中身に対して値ごろな設定です。
一点、正直にお伝えしておくことがあります。長く板金屋さんに預けていた間に、バッテリーは一度上がっていました。とはいえ、そこから軽く整備を入れれば問題なく始動し、今はしっかり自走してくれています。長期在庫だったからこそ、こうした細かな部分まで手を入れてお渡しできるのは、自社で仕上げる店ならではの強みです。気になる箇所は、隠さずお伝えするのがうちの流儀です。
実は2年がかり。ほぼ「オールペン」に近い仕上げ

このアクセラ、実はだいぶ前から店にある一台です。社長が仕入れたのは約2年前。ボディはあちこち塗装がはがれた、いわゆる「ズル剥け」の状態だったそう。そこで板金屋さんに預け、じっくり手を入れてきました。「こっち優先で、こっち優先で」と別の仕事を頼み続けた結果、気づけば2年が経っていたという笑い話つきです。
全パネルを塗ったわけではないものの、仕上がりはほぼオールペンに近いレベル。リアスポイラーもわざわざバラして塗装し、後ろはほぼ塗り直しています。プラスチック部分にわずかな赤みの差はあるものの、見て違和感はありません。しかもヘッドライトは磨いてすらいないのにこの透明感。手をかけただけの説得力があります。
運転席まわり——280km/hメーターと6速MT

ドアを開けると、シートはバケットタイプに近いハーフレザー。座らせる気まんまんの造形です。メーターに目をやると、目盛りは280km/hまで。実用とはかけ離れた数字ですが、この車のキャラクターを一発で伝えてきます。
足元にはもちろん6速マニュアルのシフト。ナビはカロッツェリア製が付き、エアコンもバッチリ効きます。運転席の一部にはひび割れがありますが、これは紫外線による経年のもので、乗り降りの多い場所ならある程度は仕方のないところ。それ以外の内装は、年式のわりにしっかり手入れされた印象でした。
走り——ターボが目を覚ますと、景色が変わる

肝心の走りはどうか。社長の評価は明快でした。下は正直そこまでトルクフルではない。ところがターボが効いてくると「ビュッ」と一気に伸びる。この落差こそがマツダスピードアクセラの持ち味です。回転計でいえば2500〜3000回転あたりからパワーが盛り上がり、中回転域の力強さは思わず声が出るほど。レッドゾーンは6700回転ですから、高回転までブン回すより、ターボの過給を上手に使って走るタイプです。
気をつけたいのが駆動方式。この車はFF(前輪駆動)なので、アクセルを強く踏むとトルクステアでハンドルが暴れます。パワーがそれだけ強烈という裏返しでもあり、「街乗りではなかなか使い切れない」というのが正直な感想。だからこそ、乗るたびに面白い一台でもあります。
意外だったのは、その扱いやすさです。30km/hほどの低速で5速のまま流しても、車体が苦しそうにノッキングする様子はありません。常用域なら足まわりもガチガチではなく、乗り心地は思いのほかマイルド。ふだんは街をのんびり流し、いざという場面だけターボの力を引き出す——このオンとオフのメリハリこそ、毎日つき合ううえでうれしいポイントです。速いだけの尖った車ではない、というのが正直な印象でした。
後席と荷室——スポーティなのに、ちゃんと積める

スポーツモデルというと後ろが手狭に思われがちですが、ベースはあくまでアクセラ。後席は足元も頭上もしっかり広いです。社長も「これでファミリーカーとしても全然成り立つ」と太鼓判。普段はスポーティに走りたいけれど、後ろに人も乗せたい——そんなワガママに応えてくれる懐の深さがあります。
荷室も見どころです。後席を倒すと荷室はぐっと広がり、「引っ越しでも使えそう」と笑うほどの積載量。ハッチバックならではの使い勝手で、ヨーロッパでこのサイズが人気なのも納得です。なおスペアタイヤは非搭載で、パンク修理キットが積まれています。いざというときのために、この点は覚えておくと安心です。
なぜ、今この一台が「買い」なのか

最後に、価格の話を。ターボ×MTのホットハッチは数を減らす一方で、欲しい人は確実にいます。だから値下がりしにくい。社長も「半年、1年乗って同じ値段で売ろうとしても、下手をすれば個人売買で売れる可能性がある」と話します。年式が経つほど希少価値が上がっていく、そんな数少ないジャンルの車です。
動画では、同じくホンダのCR-Zとも比べていました。ハイブリッド×6速MTのCR-Zもよくできた一台ですが、社長いわく「パワーはこちらが全然上」「危うさがある分、面白い」。優等生的にまとまった車とは、また違う魅力があるということです。刺激と希少性、そして現実的な価格——この三つがそろった一台は、そう多くありません。
そもそも、こうした趣味に振った一台は年々選択肢が減っています。動画では初代インサイトの5速MTやアルミボディの話でも盛り上がりましたが、走りと個性を両立したモデルは、もう新車ではほとんど手に入りません。だからこそ、程度のいい個体を見つけたら早めに動くのが正解です。このアクセラのように、きちんと仕上げてある一台なら、なおさら後悔は少ないはずです。
こうした「ちょっと変わった、でも間違いなく面白い車」を探すのは、実は骨が折れるものです。愛’s Countryでは、こういう一台一台を手をかけて仕上げ、正直にご紹介しています。気になった方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの「これに乗ってみたかった」を、一緒に見つけます。