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車の一括査定は本当にアリ?高く売るコツと落とし穴を中古車のプロが解説
愛車を売るなら、少しでも高く手放したい。誰もがそう思うはずです。そこで一度は目にするのが、ネットでよく見る「車の一括査定」。とはいえ、電話がたくさん来るといった噂も多く、実際どうなの?と二の足を踏む方も少なくありません。今回は中古車販売のプロ、愛's Country のくに社長に、一括査定は本当にアリなのか、そして損をしないための使い方を、業界の裏側までぶっちゃけで聞きました。買取店側・出品側の両方を経験した社長だからこそ語れる、リアルな話です。
一括査定は「アリ」。ただし本当の狙いは損しないため

社長の結論は、意外にもシンプルでした。「損をしないためには、アリだと思う」。ポイントは、高く売るというより安く買い叩かれないという発想です。
たとえば、あなたが「この車は20万円もつけばいいかな」と思っていたとします。ところが世の中の相場は30万円。そこへ最初にやってきた買取店が「25万円つけます」と言えば、目標より高いので、つい「ラッキー」と即契約してしまいがちです。
でも実際には、30万円で買ってくれる店が他にあったかもしれない——。これでは5万円も損した計算になります。だからこそ、1社だけの言い値で決めない。何社かの査定を取って、いわばセカンドオピニオンとして相場感をつかむ。この「平均値を取る」ための道具としてなら、一括査定は十分に使う価値がある、というのが社長の見解です。みんながみんな、社長のように相場に詳しいわけではありません。自分の中に「この車はいくら」という基準を持てるだけでも、使う意味は大きいのです。
意外な誤解「廃車は0円」。手数料を取る業者に注意
査定の話でよく出るのが、「もう古いから、値段なんてつかないでしょう」という思い込みです。ここも社長はきっぱり否定します。「車は材料なので、ゼロになることは絶対にない」。
車の価値は、車種や状態だけでなく、車体の重さやエンジンの排気量といった鉄の量でも決まります。だから、たとえ15年乗った車でも値段はつく、というわけです。軽自動車はさすがにゼロに近い金額になりがちですが、それでも完全な0円ではありません。
ここで気をつけたいのが、いまだに「廃車手数料」を請求してくる業者がいること。「今の車を廃車にしたいのですが、手数料はいくらですか?」——社長のもとにも、そんな相談が今でも寄せられるそうです。でも、自分で普通に車を持ち込めるなら、引き取りにお金を取られる筋合いはありません。レッカーで引き取ってもらうような特殊なケースは別ですが、「持ってきてもらえれば、こちらが費用をいただくことはまずありえない」と社長。取られて当たり前ではないと知っておくだけで、無駄な出費を防げます。
デメリット1・登録した瞬間、電話が鳴り止まない

ここからは、一括査定の影の部分です。まず最大のデメリットが、とにかく電話がかかってくること。一括査定に申し込むと、あなたの車の情報がネット上に登録されます。すると——。
「掲載して、ほんの1〜2分で電話が来る。しかも1件目から」と社長。買取業者の多くは、電話担当がパソコンに張り付いていて、新しいデータが入った瞬間にかけてくるのだそうです。実際に査定へ来る人が電話するのではなく、かけ役の専任担当がいる、というのは驚きの裏側でした。
しかもこの電話、昼間だけとは限りません。「夜も構わずかかってくる、なんて話もあるみたい」。出なければ、またかかってくる。上司が「どんどん掛けろ」と号令をかけるからです。数年前までは、この手のしつこい営業がかなり問題視されていました。YouTubeでも闇としてよく取り上げられるほど。今は以前ほどではないにせよ、軽い気持ちで申し込むのは考えもの。本気で売る覚悟がある人向けの手段だと心得ておきましょう。
デメリット2・手間と時間、そして土壇場の値下げ

電話の次に待っているのが、実際の査定にかかる手間と時間です。一括査定では、基本的に査定員が一人ずつ実車を見にきます。5社に頼めば、5回の立ち会い。それぞれが名刺に金額を書いて渡していき、最終的に一番高い店に売る、という流れです。この5社との商談を、想像してみてください。なかなかの労力です。
さらに社長が「実際に聞いたことがある」と語ったのが、土壇場での値下げ。あるお客様は、「200万円」と書いてもらった店に車を持ち込みました。ところが荷物を降ろし、書類まで用意した段階になって「傷が増えている」などと言われ、5万円ほど下げられてしまったそうです。
一度荷物まで降ろしてしまうと、「もういいや」と受け入れてしまいがち。これでは、何社も比較した苦労が水の泡です。ちなみにその車、2週間後のオークションに出ていたのを社長自身が見かけたのだとか。実は社長も、かつて買取側として一括査定に加盟していた時期がありました。けれど「見に行って、金額を書いて、それでも決まらない。何のためにやっているんだろう」と、労力に見合わず辞めてしまったそうです。売る側も買う側も消耗する仕組み——それが一括査定の正直なところです。
一括査定に代わる新しい形「買取オークション」

手間がかかるという一括査定の弱点。それを解消する形で登場したのが、買取オークションです。仕組みはこうです。まず査定員があなたの車を1回見て、査定し、写真を撮ります。その査定データを、毎週決まった曜日に開かれるオークションに出品する。楽天オークションのようなサービスが代表例です。
そこへ全国の業者が「100万円」「101万円」と入札していきます。競り勝った業者が交渉権を得る、あるいは売り切りに設定しておけば、一番高い人にそのまま売れる仕組みです。ここが賢いのは、出品している間も車は自分の手元にあること。現場で何社にも囲まれて即決を迫られる、という一括査定の圧がありません。
しかも「引き渡し希望日」や「この金額以上なら売る」といった条件を、自分で設定できます。「金額を決めてやるなら、ユーザーさんにはおすすめ」と社長。楽天オークションなどで調べれば、すぐに出てきます。ちなみに社長いわく、最近はこのオークションが人気で入札業者が増え、業者側からすると高くて仕入れられないほど。裏を返せば、売る側にとっては高値がつきやすい環境になっている、ということでもあります。
社長の本音「買ったお店に下取り」がいちばん楽

最後に社長が「自分がよくやる方法」として挙げたのが、買うお店にそのまま下取りに出すやり方です。次の車を買う店で古い車を引き取ってもらえれば、乗ってきて、そのまま新しい車で帰れる。これが一番ラクなのは間違いありません。
とはいえ、多くの人が不安なのは「下取り価格は適正なの?」という点でしょう。ここで社長のやり方が光ります。愛's Country は業者オークションの取引金額をすべて見られるので、「同じような車は今このくらいで取引されていますよ」と、根拠を添えてお客様に伝えるのだそうです。もちろん画面は見せませんが、という一言もリアルでした。
「下取りで儲けようとは思っていない。適正な手数料をいただいた上で、こんなものですよ、と正直に話す」。すると多くのお客様が納得して、そのまま置いていくそうです。買うところと売るところが一緒なら、手間もかからず気持ちもラク。ただし条件は一つ——裏付けのある、信用できる金額であること。ここをきちんと示してくれるお店を選ぶことが、買い叩かれないための大事なポイントです。
まとめ・あなたに合った損しない売り方を

最後に、今日のポイントを整理します。
・一括査定は、買い叩かれないための手段としてはアリ。ただし労力と時間がかかり、土壇場で金額を下げられる可能性もある。
・その弱点を補う新しい形が買取オークション。金額を自分で決めて臨めるなら、おすすめできる。
・いちばん手軽なのは、買うお店にそのまま下取り。ただし根拠のある金額を示してくれるお店を選ぶこと。
ちなみに社長のお店のように、車両価格が100万円前後のお店では、下取り車で10万・20万と大きく差がつくことは多くないそうです。それでも、複数の意見を聞いて相場を知っておくこと自体に、しっかりと価値があります。愛's Country では、こうした損しないクルマの売り方・買い方のご相談も歓迎しています。売却でも乗り換えでも、まずはお気軽にご相談ください。あなたにとって一番トクな一台を、一緒に見つけます。