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プロが実践する中古車の選び方。失敗しないチェックのルーティンを社長が解説
中古車選びでいちばん不安なのは、「見た目はきれいだけど、本当に大丈夫なの?」という点ではないでしょうか。今回は、業者オークションで1日1000台以上の出品の中から仕入れるプロ、愛's Country の国岡社長に、実際の一台を前にしながら「中古車をチェックする順番とポイント」をまるごと教わりました。外装・タイヤ・内装・下回り・エンジンルーム——見るべき場所は決まっています。この記事を読めば、お店で車を前にしたとき、どこをどう見ればいいのかが分かります。
プロは「一台に時間をかけない」からこそ順番が命
オークションでは、一台をじっくり眺めている時間はありません。何台もの車を、限られた時間でさばいていく世界です。だからこそ社長は、見る場所と順番をあらかじめ決めています。まず外装、次にタイヤ、内装、匂いと点検ステッカー、そして下回り、最後にエンジンルーム。内装では電気系統もひととおり動かします。順番を決めておくと、見落としが一気に減る——これはお店で車を選ぶ私たちにも、そのまま使えるコツです。逆に言えば、行き当たりばったりで眺めても、肝心なところを見逃してしまいます。
チェック①外装は「一周ぐるり」が基本

最初に見るのは外装です。ポイントはシンプルで、傷があるか、ボディに艶があるか。この日の一台は、少し車高を落としたブラックのヴェルファイアでした。バンパーの角には、こすったような小さな傷があります。社長いわく、中古車に傷はつきもの。大事なのは「許せるか、許せないか」という自分なりの基準です。
傷は必ず車の周りを一周して全面をチェックし、板金が必要なほどの深い傷がないかを見極めます。艶がしっかり残っていれば、それだけ手をかけて乗られてきた証でもあります。ぱっと見の印象で終わらせず、角やドアの下側まで目を配るのがプロの見方です。
タイヤは「山」だけでなく「製造年」と「銘柄」まで

意外と見落としがちなのがタイヤです。まずは溝の山があるかどうか。ここまでは多くの方が見ます。社長がもう一歩踏み込んで確認するのが、タイヤの製造年月日です。タイヤの側面には4桁の数字が刻まれていて、たとえば「4120」なら41週目・2020年製という意味になります。山が残っていても、古いタイヤはゴムが硬くなって性能が落ちます。ここは見逃せないポイントです。
さらに社長は銘柄まで見ます。ヨコハマやダンロップといった国産メーカーのタイヤが履かせてあれば、「メンテナンスにお金をかけて大事に乗ってきた車かな」と読み取れる。タイヤ一本から、前の持ち主の愛情が透けて見えるわけです。
チェック②内装は「匂い」から始めて電装を総ざらい

車内に乗り込んだら、まずは匂いです。動物の匂いや、最近は少ないもののタバコの匂い。これはドアを閉め切った状態で開けた瞬間がいちばん分かります。換気されてしまう前に確かめるのがコツです。タバコを吸う方が乗っていた車は、サンバイザーを開けるとそこだけ黄ばんでいることがあります。匂いが気になったら、こうした細かい変色もあわせて見ておくと安心です。
次にエンジンを始動。一発でかかるか、異音がしないかを確認します。ファンベルトのキュルキュル音やガラガラ音は要注意のサインです。メーター内にチェックランプや警告灯が点いていないか、エアコンがしっかり冷えるかも見ます。そしてナビは実際に指で触ってみます。社外品のタッチパネルは、画面の角が反応しなくなることが結構あるとのこと。ドライブに入れてショックがないか、バックカメラが映るか、ドアミラーやパワーウィンドウ、パワースライドまで、動くものは一通り動かして確認します。
点検ステッカーで「手のかけ具合」が読める

社長がもうひとつ必ず見るのが、フロントガラス左上に貼られた丸い点検ステッカーです。これは定期点検を受けた証。車検のときに、きちんと定期点検も一緒に実施されているかを、日付を見れば読み取れます。ステッカーの日付が車検よりも過去のままなら、点検が抜けている可能性があるということです。
2年の車検期間の間に、1年点検をちゃんと受けているかもここで分かります。オークションでは書類が見られないため、社長はこうした車体に残る情報から整備の状況を判断しています。タイヤの製造年と同じで、車がどれだけ大事にされてきたかを教えてくれるサインなのです。
チェック③下回りとエンジンルームで締めくくる

最後は下回りとエンジンルームです。下回りで見るのは錆。雪国の融雪剤や、海沿いの潮風でひどく錆びている車が、ごく稀にあります。しゃがんで覗き込めば、錆があるかないかは意外とはっきり分かります。ブレーキのキャリパーまわりも、錆が出やすい場所なので合わせてチェックします。
エンジンルームは、できればエンジンをかけた状態で開けて異音を確認します。バッテリーの交換時期はステッカーがあれば分かりますし、オイル漏れや、冷却水が吹いた跡がないかもパッと見て判断できます。ここまで見れば、その車の素性はだいたい掴めます。
結局いちばん大切なのは「物は嘘つかない」
社長が最後に語ったのは、とてもシンプルな一言でした。「物は嘘つかない。あれが全てだから」。良いも悪いも、中古車には必ず個性があります。大切なのは、買ったあとに何にお金がかかりそうかまで見越したうえで、車両価格を判断することです。
そして、じっくり見る時間があること。車を見に行くと営業マンが隣に張り付いていて、見られる時間も限られがちです。それでは、なかなか細かいところまで確認できません。愛's Country では「ゆっくり見てほしいから、あえて放置します」というスタイルを大切にしています。気になる車があれば、まずはご来店いただき、納得いくまでご自身の目で確かめてみてください。今回のチェックポイントを頭に入れておけば、初めての中古車選びでも、きっと落ち着いて向き合えるはずです。分からないことは、いつでもお気軽にご相談ください。