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中古車屋さんの「光と闇」——安いのに儲かる、くに社長の仕入れ哲学

愛's MAGAZINE編集部

「車、なんでこんなに安いんですか?」「社長、これでちゃんと儲かってるんですか?」——お客様からよく聞かれる、この2つの質問。今回はそこに、くに社長が本音で答えてくれました。台本もテーマもない、いわば雑談回です。でもその中に、10年つぶれずに続けてきた中古車屋さんの「儲けの考え方」が、たっぷり詰まっていました。きれいごと抜きの中身なので、これから車を探す方はもちろん、いつか車屋さんをやってみたいという方にも、きっと役に立つはずです。

「なんでこんなに安いの?」——お客様の素朴な疑問から

オフィスで質問に答えるくに社長
「安いけど、ちゃんと儲かってるの?」——お客様からよく聞かれる疑問に、社長が本音で答える。

お客様からよく言われるのが、「愛’s さんの車、安いですよね」という一言。それと同時に、「これで社長、ちゃんと儲かってるんですか?」と、半分心配されることもあるのだとか。ふつうなら苦笑いでかわすところですが、社長の答えは「普通の人よりは儲かっていると思います」。少しやらしい話になるかもしれない、と前置きしながらも、包み隠さず語ってくれました。というのも、社長自身がかつて「車屋さんをやりたい」と思って、この道に入った口だから。同じ夢を持つ人の背中を押せたら、という想いがあるそうです。だからこそ今回は、あえて楽屋話まで踏み込んでくれました。

300万円を1台より、50万円を6台売る

手ぶりを交えて薄利多売の考え方を説明する社長
「50万円の車を6台。売れたら、また次へ」——回転で稼ぐという発想。

なぜ安く売っても続けられるのか。その答えが、社長の商売のいちばん根っこにある考え方です。「300万円の車を1台売るより、50万円の車を6台売ったほうが、絶対に儲かる」。これは多くの中古車屋さんがうなずくところだ、と社長は言います。理由はシンプル。高い車は、売れるまでに時間がかかるからです。しかもオークションで仕入れる車は、いったん全額をキャッシュで支払うのがこの世界のルール。300万円を1台に突っ込めば、その資金はしばらく動かせません。いっぽう50万円の車なら、6台仕入れて1台売れれば、また次へ、また次へとどんどん回転させていける。「安い車のほうが、結局は利益につながる」。10年間、仕入れる価格帯がほとんど変わっていないのが、その何よりの証拠です。派手さはないけれど、回転とリスク分散こそが強い——そう教えてくれました。

車屋さんが潰れる「あるある」——見栄が資金繰りを狂わせる

率直に業界の裏側を語る社長
「なんでそんなので続けていられるんだろう、と思われていると思います」。それでも身の丈を貫く。

ここで社長は、少し耳の痛い話もしてくれました。車屋さんは、意外と潰れるお店が多いのだそうです。しかもそのパターンには、決まった「あるある」があるといいます。最初はお金がないから安い車で始める。やがて儲かり出すと、ついちょっといい車を並べ始める。そして資金繰りが苦しくなり、いつのまにか立ち行かなくなる——。なぜそうなるのか。やっぱり、見栄を張りたくなってしまうからです。いい車が並んでいるほうがかっこいいし、立派なショールームも欲しくなる。人情としてよく分かる、と社長も言います。ですが愛’s は、あえてそこを追いません。会社はプレハブが一棟、あとは車の置き場がずらり。お客様から「社長、車屋さん以外に何かやってるんですか?」と聞かれるほどの見た目だといいます。それでも、身の丈を貫くこと。それこそが、長く続けるための秘訣なのかもしれません。

勝負は「仕入れが全て」——相場を見ず、自分の値段で買う

仕入れの重要性を強調する社長と赤字テロップ
「勝負を勝ち得るには、仕入れが全て」。ここが中古車屋の儲けどころだと言い切る。

では、薄利でもしっかり残すために、いちばん力を入れているのはどこか。社長の答えは、はっきりしていました。「勝負を勝ち得るには、仕入れが全てです」。オークションでも買い取りでも、仕入れさえ100%うまくできれば、自分の中では勝ったも同然だと言い切ります。オークションは、ボタンを押して一番高い値を付けた人が買える仕組み。お金を出せば、いくらでも買えてしまう。でもそれは、そのまま原価になります。だからこそ社長は、1日中オークションのリストとにらめっこ。それでいて、「ここまで」と決めた金額を超えたら、絶対にそれ以上は買わない。おもしろいのは、仕入れるとき過去の相場をいっさい見ないという点です。ただ車を見て、「自分ならいくらなら欲しいか」を決め、そこから逆算していく。1日探して1台も買えないこともある。それでも基準を曲げない。この徹底ぶりがあるからこそ、東京23区という土地でも続けてこられたのでしょう。

「一品」で選ばれる——たった一人に100点をもらう商売

たった一人に届ける商売観を語る社長
「日本中の、たった一人に見つけてもらえればいい」——一人に100点をもらう発想。

仕入れと並んで社長が大事にしているのが、「見せ方」です。中古車の商売を、社長はこう表現します。日本中に車を欲しい人が何万人といて、そのたった一人に見つけてもらえればいい——。だから、いろんな人に60点をもらうより、一人に100点をもらう。ほかの人は0点でもいい。誰か一人が「これ、買います」と言ってくれれば、それで成立する商売なのだと。そのために社長は、仕入れに「一品」というスパイスを効かせます。たとえば走行距離がとびきり少ない、サンルーフが付いている——そんな一点があるだけで、ほかの車と違って選んでもらえる。実際、平成19年ごろのいわゆるE51型エルグランドを、走行5万キロ以下でポンポンと仕入れたことがあったそうです。「5万キロで、この値段なら安い」と、即決してくれたお客様がいた。もちろん、「15年も前のエルグランドはいらない」という人もいます。でも「古くても、5万キロでちゃんと整備されているなら欲しい」という人も必ずいる。価値観は、人それぞれ。その一人に、ぴたりと刺さればいいのです。

身の丈で貫く——10年、ご飯を食べてこられた理由

10年続けてきた実感を笑顔で語る社長
「とりあえず10年、ご飯を食べてこられた。だから間違いじゃなかったのかな」。

もちろん、狙いが外れて売れ残る車もあります。2〜3ヶ月前、ふだんは仕入れないスバル・レヴォーグを買ってみたら、これがまったく売れずに苦労したのだとか。「他店なら売れたと思う。でも、うちには不向きだった」。うちにあるのは100万円くらいの車ばかりだから、キャラに合わないと途端に動かないのだと笑います。ハイエースやトラックも同じ。専門店が強い分野には、ハナから勝ち目がないのでやらない。自分の分かるところだけで勝負し、余計なところに手を出さないのが社長の流儀です。100万円以下の良い車を、独断と偏見で集める。変わった車も多いけれど、「これがいいじゃん」と言ってくれる一人を、コツコツと追いかけていく。そのやり方で、10年間、ちゃんとご飯を食べてこられた。だからきっと、間違いではなかった。車屋さんをやってみたい人がいれば、やり方次第でいくらでも生き残れる世界だ、とも話してくれました。もし「100万円以下で、いい一台を探している」という方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたにぴったりの、100点の一台を一緒に探します。

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