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ホンダ・ジェイドの惜しい魅力を全部話します|98万円で買える3列ハイブリッドの実力
「10年も経っていないのに、たったの98万円」。そんな一台が、ふらりとお店にやってきました。今回くに社長が取り上げるのは、ホンダ・ジェイド。3列シートを積んだ、ちょっと珍しいハイブリッドワゴンです。
しかもこのジェイド、狙って仕入れたクルマではありません。以前アテンザのマニュアルをお求めいただいたお客様からの、下取り車。つまり「たまたま」入ってきた一台なんです。初めて実車に触れる社長が、良いところも惜しいところも包み隠さずレビューします。「世間の人気はいまひとつ。でも、じつは狙い目」——そんな中古車を探している方は、ぜひ最後までご覧ください。
なぜ98万円?——狙って仕入れていない「下取りの一台」

まずは素性から見ていきましょう。年式は平成28年(2016年式)。「10年も経っていない、ちょっと新しめ」の一台です。走行距離はメーター読みでおよそ9万6千キロ。ミニバン系としては、まだまだ元気に走れる距離感です。
そして、気になるお値段。なんと98万円です。「100万円していないんですか?」と、思わず声が出るプライスでした。
じつはこのジェイド、前のオーナーさんがホンダの認定中古車で購入し、2年も乗らずに手放したもの。理由は「なんだかつまらなくて、飽きてしまった」からなのだそうです。マニュアルのアテンザに乗り換えるようなクルマ好きの方ですから、その感覚も分からなくはありません。裏を返せば、大きな不具合があって手放したわけではないということ。程度のいい一台が、めぐりめぐってお値打ち価格で並んだわけです。
前のオーナーさんは、ちょうど連休前にこのジェイドを手放し、代わりにアテンザのディーゼルで大型連休を過ごしたのだとか。満足のかたちは、人それぞれ。新しければいい、高ければいい、というものでもありません。だからこそ、こうして手放された程度のいい一台が、次の誰かにとっての「ちょうどいい」になり得るのです。
見た目は「フィットシャトルの、ちょっと上質版」

ボディカラーは、清潔感のある白。外装は全体的にとてもきれいで、社長も「外はね、綺麗です」と太鼓判です。
シルエットは、背の低いステーションワゴン風。「フィットシャトルをひとまわり大きくして、少しオシャレにしたような感じ」というのが社長の第一印象でした。ミニバンにありがちな「箱っぽさ」がなく、走っている姿は「どこかストリームを思わせる」と、懐かしさすら覚えます。
そして、二人の意見が一致したのがここ。見た目は、素直にかっこいい。ファミリーカーでも、生活感はあまり出したくない。そんな方の心には、しっかり刺さるデザインです。
サイズ感も、ちょうどいいところに収まっています。背は低めで、街なかでの取り回しに神経をつかいすぎることもありません。それでいて全長はしっかりあるので、フィットシャトルのような「ちょっと小さいかな」という物足りなさも感じにくい。大きすぎず、小さすぎず——この絶妙なバランスこそ、ジェイドの隠れた美点のひとつです。
運転席は文句なし——「古さをまるで感じない」

ドアを開けて乗り込むと、まず運転席まわりの質感に驚かされます。「全然、古さを感じない」——これが社長の率直な感想でした。
足元にはマットが丁寧に敷かれ、前のオーナーさんが大切に乗っていたことがうかがえます。視界は広く、見晴らしはとても良好。「運転席は、本当に快適そう」と、ここは高い評価です。
ナビは大きめの9インチクラス。メーターは手前ではなく、ダッシュボードの奥まった位置に置かれた、少し珍しいレイアウトです。シフトまわりには、ハイブリッド車ならではの独特なレバー。「これは悪くないね」と、操作フィールも上々でした。毎日ハンドルを握る場所だからこそ、この完成度の高さはうれしいポイントです。
クセの強い3列目——社長いわく「一台で終わりシリーズ」

いっぽうで、社長が思わず首をかしげたのが3列目です。
このジェイドの3列目は、ボタンで留めながら畳んでいく独特な構造。「最初こうなって、こう倒れて…」と、動かす手順が少しややこしいのです。畳んだ状態でも座面の厚みがしっかり残るため、「これがなければ、もっと荷室が広いのに」と惜しむ場面もありました。
社長が「一台で終わりシリーズ」と呼ぶ、後にも先にも他では見かけない機構。おもしろいけれど、正直に言えば「ちょっと使いにくそう」というのが本音です。とはいえ、3列目を普段づかいしない方なら、倒しておけば広い荷室が手に入ります。大きな欠点にはなりません。
むしろ、この3列目は畳んでしまえば見方が変わります。座面を倒せば、ステーションワゴンさながらの広い荷室が現れるのです。自転車やベビーカー、大きな買い物の荷物まで、日常の「積みたい」に気持ちよく応えてくれます。3列目を毎日は使わないご家庭なら、いっそ広い荷室として割り切って使う——それが、このクルマの賢い付き合い方かもしれません。
2列目の「V字スライド」という珍機構

さらにユニークなのが、2列目のシートです。その名も「V字スライド」。左右のシートを、片方ずつ斜めに動かせる仕組みです。
ためしに左側のシートを下げてみると、斜めにスライドして、後ろのシートとぴたりとくっつきます。ふだん4人で乗るときは、2列目を後ろまで下げれば足元がぐっと広がって快適。3列目に人を乗せたいときは、前にV字スライドさせて通路をつくる——そんな使い分けができるわけです。
ただ、社長が「真ん中がちょっと死んじゃってる」と表現したように、ゆったり座れるのは実質4人ぶん。座面がやや短めで、「快適かと言われると、ちょっとハテナかも」という正直な感想もこぼれました。おもしろい機構ですが、ここも好みが分かれるところです。
走りは静かでスムーズ——燃費19km/L台の実力

走り出すと、印象はさらに良くなります。
組み合わされるのは、フィット3ゆずりのハイブリッドシステム。スポーツモードに入れると「おお、一気に来た」と加速が鋭くなり、パドルシフトの操作感も社長のお気に入りでした。ギアチェンジまではできませんが、キビキビとした走りは十分に楽しめます。
そして、なんといっても静かです。「静かでいいよね」と、ハイブリッドならではの上質な走りを、二人とも実感していました。EVモードではエンジンが止まり、モーターだけでどこまで走れるか、つい試したくなります。燃費計の表示は平均19.1km/L。入庫した時点では20〜21km/Lを記録していたそうで、実用燃費としては十分に優秀な部類です。
惜しいのは「コンセプトの見えにくさ」——でも、唯一無二の価値がある
これだけ良いのに、なぜジェイドの人気はいまひとつなのでしょう。社長が挙げたのは「誰に向けたクルマなのか、少し見えにくい」という点でした。
2列目をもっと広く使いたいなら、素直にミニバンがいい。とにかくコンパクトさが欲しいなら、もっと小さいクルマがいい。そのあいだで、立ち位置がつかみにくいのです。実際、社長も「6人乗りって、いつ使うんだろう」と、ターゲット層の読みにくさを口にしていました。
いっぽうで、大きなミニバンと比べたときの「お財布へのやさしさ」は、見逃せない魅力です。車体の大きなクルマは、燃料代がまるまる倍かかることも珍しくありません。その点、コンパクトなボディに静かなハイブリッドを積んだジェイドなら、日々のガソリン代も維持費もぐっと軽く済みます。社長も「これに乗っている方が、むしろお金は貯まりそうだね」と、思わず本音がこぼれていました。さらに言えば、あまりに立派なクルマは、乗るだけで気をつかう場面もあるもの。さりげなく上質なジェイドは、気負わず付き合える一台でもあります。
でも、ここにこそ隠れた価値があります。全高はおよそ1550mm。つまり、機械式の立体駐車場にもすっと入る背の低さでありながら、しっかり3列シートを備えているのです。かつてのストリームやオデッセイが担っていた「立体駐車場に収まる多人数ワゴン」という枠は、いま驚くほど選択肢がありません。世間の評価は高くなくても、この一台にしかない魅力がある——そう言える理由が、ここにあります。
新車350万が98万円に——中古車選びの醍醐味
新車価格は、およそ350万円。それが今や、3分の1以下の98万円で手に入る計算です。「10年も経っていないのに、この値段」——これこそ中古車のおもしろさだと、社長は言います。
おもしろいのは、中古車の値段が「新しさ」だけでは決まらない、という事実です。この撮影の前に登場したクロスロードは、20年近く経っていてもそれなりのお値段。逆に、20系のアルファードのように、年式のわりに高値を保ちつづけるクルマもあります。平成28〜30年ごろは、中古車の相場そのものがぐっと上がった時期でもありました。だからこそ、リセールの良し悪しをどう捉えるかが、かしこい一台選びの分かれ道になります。新車で手堅く選ぶならトヨタ、という声も出ましたが、中古で掘り出し物を探すなら、こういう一台こそ面白いのです。
人気やリセールばかりを追いかけるのではなく、「世間の評価はいまひとつでも、自分が本当にいいと思えるクルマ」を選ぶ。それが、賢いお値打ち車の見つけ方です。
このジェイドがおすすめなのは、こんな方。3列目は普段使わず、広いステーションワゴンとして気軽に乗りたい。でも、フィットシャトルでは少し狭くて、安っぽくも感じてしまう。そんな方には、まさにぴったりの一台です。快適な運転席、静かでスムーズな走り、そしてかっこいい見た目。惜しい部分を差し引いても、98万円ならじゅうぶんに「買い」だと言える一台でした。
「人とはちょっと違う一台を、賢く選びたい」。そんな方は、ぜひ一度、愛's Country にご相談ください。あなたのカーライフにちょうどいい掘り出し物を、一緒に見つけます。