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10年・11万km超のアメ車は壊れる?ジープ・コンパスを本音レビュー
「10年以上前のアメ車って、やっぱりすぐ壊れるんじゃないの?」——中古車を見ていると、一度は頭をよぎる不安だと思います。今回うちの店にやってきたのは、平成25年式のジープ・コンパス。走行は11万kmオーバーという、まさにその不安のど真ん中をいく一台です。しかもこれ、販売用ではなく「下取り車」。だからこそ、包み隠さず本音でお話しできます。壊れるのか、壊れないのか。実車を前に、社長がリアルなところをぶっちゃけました。結論から言うと、答えは「壊れる・壊れない」の二択ほど単純ではありませんでした。
今日の主役は、まさかの「下取り車」

この車、実はお客様から引き取った下取り車です。ジープの「コンパス」という、チェロキーなどと並ぶラインナップの中では小型SUVにあたるモデル。サイズ感でいうと、ホンダ・ヴェゼルにほんの少し長さを足したくらいで、思ったよりコンパクトです。
手放したお客様は、このコンパスからトヨタ・サイ(ハイブリッド)へ乗り換えられました。もともと横浜にお住まいで、近くにジープを診てくれるお店がたくさんあったそう。ところが都心へ引っ越したところ、対応してくれるお店が一気になくなってしまったのだとか。わざわざ横浜まで整備に通うのも現実的ではない、というのが乗り換えの本音でした。下取り車なんてなかなかじっくり見る機会もないので、せっかくならと動画を撮ってみた、というわけです。
平成25年・11万km。それでも「大きな故障なし」

年式は平成25年(2013年式)。走行距離はメーターで11万1118kmを刻んでいました。前のオーナーさんは、これを7〜8年ほど乗り続けたそうです。
ここで気になるのが本題です。10年以上・11万km超の外車で、大きなトラブルはあったのか。答えは——「これといった大きな故障はなかった」。外車なのに、です。社長いわく、アメ車はアナログでさっぱりと作られているから、意外と壊れにくいのだそう。メーターまわりを見ても、装備がゴテゴテしておらず、いたってシンプル。凝った電子制御が少ないぶん、故障の芽も少ない、という理屈です。
ちなみに「丈夫さ」でいうと、社長には忘れられない一件があるそうです。10年ものあいだ草むらに放置された日産・ラルゴを引き取りに行ったとき、バッテリーをつないだらあっさりエンジンがかかったというのです。もちろんきちんと乗るならメンテナンスは欠かせませんが、「日本の車ってすごいな」と思わず唸ったのだとか。アメ車の割り切った丈夫さも、国産の底力も、10年選手を見比べてこそ見えてきます。「10年落ちのアメ車=すぐ壊れる」という先入観は、少なくともこの一台には当てはまりませんでした。
「壊れにくい」の裏にある、本当の落とし穴

とはいえ、「壊れにくい=維持がラク」ではありません。ここが輸入車の正直な落とし穴です。
たとえばオイル交換ひとつとっても、オートバックスのような量販店では断られてしまうことがあります。結局は専門で診てくれるお店を探すことになり、そのぶんコストも手間もかさむ。今回のオーナーさんも、「そこまでお金をかけてもなあ」というのが正直な気持ちだったようです。横浜から都心へ引っ越して、頼れるお店が近くから消えてしまった——これが、手放す決め手になりました。
つまり、アメ車で本当に効いてくるのは「故障」よりも「面倒を見てくれるお店があるか」という点。壊れるかどうかより、住んでいる場所や生活スタイルに合うかどうかで判断したほうが、後悔が少ないと思います。
助手席の謎モニターは「車検」のためだった

車内で目を引いたのが、助手席側にちょこんと付いた謎のモニター。一見すると後付けの余計な装備に見えますが、これにはれっきとした理由があります。
国産のミニバンなどは、左前の下がしっかり見えるよう作られています。ところがアメ車には、この視界を確保する仕組みがありません。そのままでは日本の車検が通らないため、サイドカメラ(またはミラー)を後付けする必要があるのです。左前が見えないと保安基準を満たせない、というわけですね。アルファードの「キノコミラー」も同じ発想で、純正のメーカーオプションを付ければマルチビューカメラで代用できます。
このモニターで社長が思い出したのが、15年ほど前の中古並行の話です。当時はアメリカから持ち帰ったベンツなどを日本で登録する際も、サイドの確認ミラーが無ければ車検は通りませんでした。そこで横浜のある業者は、原付のハンドルに付いていたような「ジャンケンミラー」をテープでペタッと貼って車検を通し、終わったらすぐ剥がす——という荒技を使っていたそうです。数年後、その業者と担当の検査官はまとめて摘発されてしまいました。今では考えられない話ですが、「左前を目視できること」という保安基準は、昔も今も変わっていないわけです。輸入車ならではの、知っておくと得する豆知識ですね。
室内は「割り切り」。高い着座位置とシンプルさ

後席に座ってまず驚くのが、着座位置の高さ。シートがかなり上にあり、そのぶん足元の下にゆったりとスペースが生まれています。数字上のサイズよりも、車内は四角くて使い勝手がよさそうな印象でした。
一方で、後席にはエアコンが付いておらず、夏はちょっと暑そう。このあたりは、いかにもアメリカ車らしい割り切りです。シートには専用のカバーがかけられていて、めくってみると下は上質なモケット地。ドアの取っ手にさりげなくフックが付いているなど、シンプルながら気の利いたところもあります。細かいところでは、開口部のウェザーストリップ(ゴムのフチ)が少し縮んで浮いていました。10年選手ならではの経年変化で、ここは正直に指摘しておきます。
社長の言葉を借りれば、まさに「シンプル・イズ・ベスト」。リア(後ろ姿)のデザインは、どこかランドクルーザー250を思わせる四角い塊感があって、これがなかなかかっこいいのです。
いざ試乗。「どっしり」なのに軽快、コンパスの遊び心

走り出すと、さすがジープと言いたくなる「どっしり感」。それでいて車体が大きすぎないので、街中では意外なほど軽快に扱えます。排気量はおよそ2000ccクラス。ステアリングは太めで、手にしっかりとした握り応えがあります。屋根が垂れることもなく、内装もきれいに保たれていて、10年・11万kmという数字ほどのくたびれた感じはありませんでした。
正直なところ、右前の見切りはあまり良くありません。三角窓の見やすさで奥さんがトヨタ・サイを気に入った、という話も出たほどで、視界の作り込みは国産勢が一枚上手です。とはいえ「そこも含めてアメリカンでかっこいい」と思えるかどうか。ここは好みの分かれるポイントです。
そして最大の遊び心が、車名の由来でもある「コンパス」表示。メーターに N・W・NW(ノースウエスト)と方角が出て、曲がるたびにコロコロ変わります。最初は「1速・2速のギア表示かな?」と勘違いしたほどで、実用性は正直ほぼゼロ。気にして見ていたら事故りそうなくらいですが、この遊び心こそコンパスらしさ。眺めているだけで、ちょっと楽しくなる一台でした。
下取り・買取で「損したくない」あなたへ
最後に、気になるお金の話です。このコンパス、うちで販売はしません。車検も残りわずかで走行も11万km超、お客様に安心して売れるリスク許容度を超えているという判断です。だからこそオークションへ流します。
気になる相場は、オークションベースでおよそ10万円。人気モデルではないぶん、正直このくらいが実勢です。うちはお客様からも、この実勢に沿った金額でそのまま引き取っています。下取りで利益を抜こうとは考えていない——ここは社長がはっきり言い切ったところです。
愛’s Countryでは、こうして一台一台の値付けの理由まで包み隠さずお伝えしています。「今の愛車、いくらで手放せるの?」「アメ車ってうちの生活で維持できる?」——そんな疑問こそ、ぜひ一度ご相談ください。買うときも手放すときも、あなたが損をしない一台選びを、一緒に考えます。