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10万キロの中古車は「買い」。プロが避けない理由と、失敗しない選び方

愛's MAGAZINE編集部

「10万キロを超えた中古車は、なんとなく避けたい」。そう感じている方は、きっと少なくありません。メーターの数字を見た瞬間、候補からそっと外してしまう——そんな経験、ありませんか。ところが、10年で2000台以上を一人で売ってきた中古車マイスター・くに社長の答えは、迷いなく「買うべき」でした。なぜプロは、世間が敬遠する10万キロ超えを避けないのか。今回はその理由と、失敗しないための見極め方を、じっくり伺いました。そもそも「なぜ10万キロがダメなのか」を、はっきり説明できる人は意外と少ないものです。数字だけがひとり歩きして、根拠のないイメージだけが定着してしまっている——そんな面も、正直あります。読み終える頃には、走行距離の見方が少し変わっているはずです。

「買うべき」。プロがそう言い切る理由

まずは結論から。「10万キロを超えた車は、買うべきか、買わないべきか」。この問いに、社長の答えは迷いなく「買うべきですね」でした。もちろん、ひとくちに10万キロといっても年式はさまざま。車種によって耐久性も違うので、そこは一台ずつ個別に見ていく必要がある、とも付け加えます。ただ、距離が伸びた分だけ、値段はしっかり安くなるのは事実。だからこそ「選択肢の一つに入れるのは、十分にあり」だと言い切ります。実際、社長のお店にも10万キロ超えの在庫は当たり前のように並んでいます。避けるどころか、むしろ積極的に扱っているのです。もちろん例外的に手を出しにくい車種もあるため、そこは欲しい車を見ながら選定していく——という前提つきではあります。それでも、数字の先入観だけで門前払いしてしまうのは、じつはもったいない話なのかもしれません。

距離を「逆手に取る」——同じ予算でワンランク上へ

お客さんにとっては安く買えると語るくに社長
距離が伸びればリセールは下がる。裏を返せば、その分だけ安く買えるということ。

一つ目のポイントは、走行距離とリセール(下取り価格)の関係です。距離が伸びれば、その分リセールは下がる。裏を返せば、お客様はその分だけ安く買えるということ。予算がたっぷりある方なら話は別ですが、多くの人は限られた予算の中で車を選びます。「この色がいい」「この装備がほしい」——希望は、誰にでもあるものです。そこで距離を少しだけ我慢すると、前期型が後期型に、サンルーフなしがサンルーフ付きに、グレードがワンランク上に……と、手の届く範囲がぐっと広がります。距離という一点を受け入れるだけで、選べる車の幅が一気に増えるのです。アルファードやヴェルファイアのように、新車ではとても手が出ない人気車も同じ。「壊れないなら、10万キロ超えを選択肢に入れるのは賢い」と社長は言います。しかも、もともと新車価格の高い車ほど、10万キロを超えても「やっぱり良い」と感じさせる作り込みがあるもの。乗って初めてわかる質感やしっかり感は、あえて上のクラスを狙う理由になります。年間の走行距離が多い方にも、この発想は向いています。すでに距離が伸びてリセールの落ちた車をあえて選び、「乗れるだけ乗って、最後に次へ買い替える」という付き合い方。はじめから割り切れる一台のほうが、かえって気楽なのです。

100万円の車には「気楽さ」がある

子どもがお菓子をこぼしても気楽だと笑顔で語る社長
「子どもがお菓子をこぼしても、100万円の車なら気楽」。道具として使える強み。

もう一つ、見落とされがちなメリットが「気楽さ」です。たとえば、お子さんが後席でお菓子をこぼしてしまったとき。500万円で買ったばかりの車なら、思わず「ああ……」とため息が出ます。でも100万円ほどの車なら「まあ、しょうがないか」と笑って済ませられる。ショッピングモールの駐車場で、知らないうちに隣の車から傷をつけられても同じことです。高い車だと、そうもいきません。車を大切な資産としてではなく、日々の道具として気負わず使える。これは、毎日ハンドルを握る人にとって、案外うれしいポイントです。高い車ほど、小さな傷やへこみ一つで気持ちが沈みがち。そのストレスから解放されるだけでも、価値は十分にあります。神経をすり減らさずに付き合える一台は、暮らしにちょうどいい距離感をもたらしてくれます。家族で気兼ねなく使い倒せる——それは、金額の数字には表れにくい、大きなメリットです。

「10万キロで壊れる」は、もう昔の話

10万キロと言われた理由はタイミングベルト交換だと説明する社長
「10万キロ」の目安は、昔のタイミングベルト交換の時期が一人歩きしたもの。

もちろん、デメリットもあります。距離が伸びれば、その分だけ故障のリスクは近づく。これは正直に認めるべき事実です。ただし——と社長は続けます。「10万キロぐらいで、すぐパンと壊れる、という経験は正直あまりない」。そもそも「10万キロ神話」は、昔のタイミングベルト交換の時期が一人歩きしたものだといいます。かつてはこの距離でベルトを替える必要があり、その節目のイメージだけが残ってしまった、というわけです。今どきの車の多くはタイミングチェーンを採用していて、10万キロを境に急に壊れる、ということはほとんどないのだそう。「10万キロぐらいの車に乗っても、メーターを隠されたら距離なんて全然わからない」。それくらい、現代の車はよくできています。数字のイメージだけで敬遠してしまうのは、やはりもったいないというわけです。

不安は「保証」で先回りしてカバーする

15年落ちまで保証を付けられると話す社長
中古車でも最長3年、15年落ちくらいまで保証を付けられる。安心を買い足せる。

とはいえ、大きな部品が壊れると出費はかさみます。オルタネーターやセルモーターといった主要部品は、交換費用も相応にかかるもの。そこで頼りになるのが保証です。最近は中古車でも、最長3年ほどの保証を付けられるようになりました。しかも15年落ち(およそ平成21年以降)くらいまで対象になるので、少し古い車にも安心を買い足せます。実際、「精神的な安心のために」と保証を付けるお客様は、とても多いそう。「トラブルが起きるかもしれない」という漠然とした不安を、あらかじめ保証でならしておく。この一手間があるだけで、10万キロ超えの車はぐっと選びやすくなります。備えがあれば、距離の数字にも堂々と向き合えるのです。ちなみに15年落ちといっても、今どきの車は古びて見えないもの。街を走っていても、そう古い車には見えない——というのも、正直なところです。

「車は嘘をつかない」——個体選びという最後の砦

保証と並んで大切なのが、一台一台の「個体選び」です。判断のよりどころになるのが、記録簿やメンテナンスの履歴。きちんと手を入れられてきた車かどうかは、そこを見れば見当がつきます。社長の言葉が印象的でした。「人は嘘をつくけれど、車は嘘をつかない」。走行距離が伸びていても、必要なときに必要な整備をしてきた一台なら、過度に心配することはない、と言います。逆に言えば、履歴があいまいな車は、距離に関わらず慎重に見るべきということ。中古部品も豊富に出回っているので、いざというときの修理費も、実はそこまで跳ね上がらないケースが多いのだそうです。同じ部品でも新品にこだわらず、程度のいい中古を上手に使えば、費用はぐっと抑えられます。数字よりも、育てられ方を見る。距離の多い少ないだけで一喜一憂せず、その一台がどう扱われてきたかを丁寧に確かめる——これが、プロならではの目線です。

実は、社長の店も7割が10万キロ超え

売っている車の7割が10万キロ超えだと話す社長
創業から丸10年。売っている車の、なんと7割ほどが10万キロ超えだという。

何より説得力があるのは、社長自身のお店の在庫です。3月で創業から丸10年。売っている車の、なんと7割ほどが10万キロ超えだといいます。あるお客様は、8年前に13万キロで下取りに出した車を、そこからさらに乗り継いで26万キロまで。大きなトラブルもなく、また次の一台を買いに来てくれたそうです。新車を600万円で買い、1年で100万円下がっていくのを眺めるより、はじめから100万円の車のほうが「もう下がりようがない」ぶん気楽——そんな考え方もあります。その方は、13万キロから26万キロまでの8年間を、大きな買い替えもなく走り切ったことになります。そしてトラブルは、10万キロに限った話ではありません。「9万キロでも5万キロでも、新車でも、起きるときは起きる」。相手は機械ですから、うまく付き合って直しながら乗る——それも車の楽しみの一つだ、と社長は笑います。だからこそ大事なのは、距離そのものより、壊れたときにきちんと対応してくれるお店かどうか。そこを見極められれば、10万キロ超えはもう怖くありません。

数字より「付き合い方」で選ぶ

「乗りつぶす、とよく言いますが、車はそう簡単には潰れないんです」。潰れるのではなく、人が飽きるか、お金をかけたくなくなるか——乗り換えの理由は、たいていそのどちらかだと社長は言います。たとえば10万円の修理が必要になったとき、そこにお金を払って乗り続けるか、いっそ乗り換えるか。判断が分かれるのは、たいていこの瞬間です。逆に言えば、そこさえ納得して選べば、距離はもう決め手にはなりません。10年で2000台以上を、仕入れから登録、納車まで一人でこなしてきた人だからこその、実感のこもった一言です。10万キロという数字だけで、いい一台をみすみす逃してしまうのはもったいない。予算・装備・安心のバランスを、距離を味方につけて組み立てる。そんな車選びに少しでも興味がわいたら、ぜひ一度ご相談ください。あなたにちょうどいい一台を、一緒に探します。

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